デザインの意味〜デザインによるコミュニケーション〜

会社でオープンセミナーが開催され仕事終わりに参加。
人身事故で電車がストップしていたため、迂回して会場までいったので遅刻してしまったが、講師も遅れていたのでラッキーにも間に合った。


「デザインの意味〜デザインによるコミュニケーション〜」
講師:原研哉 (グラフィックデザイナー; 日本デザインセンター代表; 武蔵野美術大学教授)



アートによるコミュニケーション論となると普段の自分の
思考法・発想法にはないものであり新鮮ではあったし新たな
気づきもあったのだが結構、抽象的・概念的な話が多く難解だった。
一般大衆向きというか、大学の講義に近いかな。


話は

  • HAPTIC
  • Ex-formation (Shimanto River)

の二つのテーマを中心に合計2時間の講演。
この二つのテーマの着眼点は非常に興味深い。


正しく説明できる自信はないが、
HAPTICとは「触覚の、触覚型の、触覚を喜ばせる」という意味
デザインを、紙の上にデッサンすることから始めるのではなく、
触覚・感覚からものづくりをするというコンセプトということで
詳しくはこちら
作品群を見ていて、実際にその作品に触れていないにもかかわらず
触れたらどんな感覚かということが想像できるのは、過去での
経験が記憶となって頭に残っているためそれが引き出されるとのこと。
特に面白かった作品は



Ex-formationとは、知ってほしいと情報を発信するのではなく、
いかに知らないかを知らせる未知化(make things unknown)を意味するとのこと。
テーマはなんでもよかったのだがとおしゃっておられたが、
日本最後の清流と言われている「四万十川」についていかに
我々が知らないかをテーマにした学生の卒業制作を紹介されていた。
EX-Formation Shimanto River
どこからこんな発想がでてくるのだろうという、いろいろな視点から
見た四万十川が紹介されており、おもわずニヤリとしてしまうものも
あり非常に面白かった。これは11月末に中央公論社から出版されること
になったとのことで是非買ってみたい(ほんとおもしろい)


あとプロペラの造形の美しさについて。
プロペラはなぜあの形になったのか。誰が設計したのか。
#話の中に伊東豊雄磯崎新隈研吾といった超有名建築家の名前がでてきてちょっとビックリ。


気づかされた点といえば、Marketing/Brandingにもつながるが「知ってほしい」
と情報を発信するのではなく、「いかに知らないかを知ってほしい」
という一歩引いたスタンスの面白さ、ひいてはこっちのほうが人に伝わりやすい、
有効なコミュニケーション手段なのではと感じた点は自分の仕事に活かせるかな、
と思った講演会でした。