知命 茨木のり子

ある日 卒然と悟られる

もしかしたら たぶんそう

沢山のやさしい手が添えられたのだ


一人で処理してきたと思っている

わたくしの幾つかの結節点にも

今日までそれと気づかぬほどのさりげなさで


「自分の感受性くらい」 茨木のり子 「知命」より抜粋


自分の感受性くらい

自分の感受性くらい



ふと、本棚にある詩集に手を伸ばし、最近感じていたことと一致したので掲載


ときに周りからさしのべられる手をうざったく感じ

ひとりで生きていけると勘違いする

そのありがたさに浴されているときには、当たり前で気づかない

しかし、その手を無性に渇望するとき

自分のおろかさを感じ

感謝の気持ちで頭を垂れる